無原罪の聖母が蛇を踏む。2023.09.04 10:30聖母が単独の礼拝対象として描かれるのは「無原罪の御宿り」。ムリリョがすぐ思い浮かびますが一枚目はプラド美術館のティエポロ。ドラゴンを踏んでいるのが印象的。これはアダムとイヴを誘惑した蛇=悪魔を暗示。聖母はアダムとイヴに遡る人類の罪を負わないのです。
カラヴァッジョでも「神は光」。2023.08.29 10:30カラヴァッジョ作品でも「神は光」で示される。出世作「マタイの召命」。キリストが徴税人であったマタイに「わたしに従いなさい」と呼びかける。徴税人は嫌われ者。信じられず驚くマタイ。私ですか?という身振り。指さすキリストの側からマタイに光が差す。神の暗示です。
さらって結婚という例もある。2023.08.20 10:30男性が恋する相手をさらう例。ルーヴル美術館展「愛を描く」で来日しているもう一つの例はこれ。北風の神ボレアスがアテナイの王女に恋をしさらう。前の例のネッソスは殺される。こちらの場合女性は北風の神の妻となる。神話では結婚に結びつく例が多々あります。
夏の果物・野菜・穀物。2023.08.06 10:30暑いですね。夏を表す作品を紹介中。夏の果物・野菜・穀物で人物の顔を作る。何が見つかりますか?さくらんぼ、もも、プルーン、ベリー系、ズッキーニ、にんにく。服は麦の穂。夏といえばやっぱり麦の収穫がイメージされるのです。夏は活力みなぎる青年の顔になっています
太陽の神と曙の女神。2023.07.25 10:30獅子座の時期です。獅子座と関係するのは太陽。太陽神は「太陽の馬車」を操り毎日天を渡ります。グイド・レーニ。ここでも太陽神の馬車は四頭立てですよ。先立つのは夜明け前の時間帯を司る曙女神。バラを撒く。囲むのは時間を司る女神たち。太陽の神は明るく輝きます。
ダンテの「神曲」最後の導き手。2023.07.21 14:21フィリピーノ・リッピの最も有名な作品が左。右はムリリョ。プラド美術館。同じ衣装の修道士。聖ベルナルドゥス。聖母信仰で知られる。ダンテの「神曲」は地獄や煉獄・天国を旅する話。前二者の導き手が詩人ウェルギリウス。天国編最終段界の導き手がこの人です。
フィリッピーノはフィリッポとルクレツィアの子2023.07.21 00:38こちらフィリッポ・リッピ。フィリッポは修道士で若く美しい修道女ルクレツィアに魅かれ子供ができてしまう。それがフィリッピーノ。聖母はルクレツィアがモデルというのは有名。手前の天使がフィリッピーノの可能性。おじさんのようなキリストがフィリッポ??
メディチ家本家と分家。2023.07.19 10:30続き。フィリッピーノ・リッピの作品はダ・ヴィンチの未完の作品より師で友人のボッティチェリの作品に似る。どちらにもメディチ家の人物が描かれる。ボッティチェリ作品は本家。リッピ作品は分家。誰が誰か。講義で解説します。
ダ・ヴィンチが未完にした後リッピ。2023.07.18 13:39フィリッピーノ・リッピの有名作品はこれ。こちらはダ・ヴィンチが依頼され完成されなかった作品の代わりに描かれた同テーマの作品。聖母はボッティチェリの女性に似ています。
神話でなく近世の話。2023.07.14 15:25ようやく来ました!関西ルーヴル美術館展。9/24まで。目玉作品の一つ。どうやって愛する人を手にいれるか。「女性編」で取り上げられる。魔法を使うのです。物語は神話でなく「解放されたエルサレム」という近世の話。大人気を博す。作品は原典のムードを忠実に再現します。
愛の別な形。2023.07.11 09:30ようやく来ました!関西ルーヴル美術館展。続き。どきどきするような作品に触れましたが、愛は男女の恋愛や性愛だけではありません。それを思い出させるのが「キリスト教」の章。母と子の愛。父の子に対する愛。娘の父に対する愛。神の愛。神への愛。静かな思索を促します。
二人の月の女神が混同される。2023.06.30 10:30蟹座がらみで月の女神の恋について紹介中。永遠に眠る恋人を夜ごと訪れる。これは本来の月の女神セレネの話。というのは月の女神とされる森と狩猟の女神ディアナは極めて厳格な処女神だから。ただ、このお話は女神ディアナの話といつしか考えられるようになりました。