【名品42】「春または地上の楽園」ニコラ・プッサン2022.12.01 12:00【ルーヴル美術館の名品150選42】。「哲学者」と言われたプッサンの最後の傑作。連作「四季」。四つの季節を旧約聖書の場面と重ねるという特異な作品。1枚目。「春」は、作られたばかりのアダムとイヴ。緑豊かな楽園が若葉のみずみずしい生命力溢れる季節と重ねられています。
【名品41】「シテール島への巡礼」アントワーヌ・ヴァトー2022.11.30 12:00【ルーヴル美術館の名品150選41】。海で生まれた愛の女神ウェヌスが最初に流れ着いた島。愛の女神の聖地。人物たちは巡礼者の杖・水筒を持つ。流れるようなリズムで男女が水辺の船へ向かう。聖地へ出発するのか聖地から去るのか?果たしてどちらか?
【名品40】「フランス国王ルイ14世の肖像」イアサント・リゴー2022.11.29 12:00【ルーヴル美術館の名品150選40】。ヴェルサイユ宮殿で知られる「太陽王」ルイ14世の肖像。このとき63歳。フランス国王最高の正装、即位式の衣装。即位は5歳。つまり権威づけのための「コスプレ」。「青地に金のユリ」はフランス王家の紋章。即位式の剣他権威の象徴が盛り込まれます。
【名品39】「レースを編む女性」ヨハネス・フェルメール2022.11.28 12:00【ルーヴル美術館の名品150選39】。フェルメールの最も小型の作品。人物に接近した構図。「ボビンレース」という技法。糸巻きの糸を針にからめ編んでいく。手元の2本の糸「だけ」にピントが合っている。ここに神経が集中しています。根気と技術を要する仕事です。
【名品38】「天文学者」ヨハネス・フェルメール2022.11.27 12:00【ルーヴル美術館の名品150選38】。フランスのフェルメール作品は2枚。書斎で研究に没頭する学者。天文学者。見ているのは天球儀。近くには円盤状のアストロラーベという天体位置計算用の器具。天文学は当時の実用的な学問。地理学同様。海上貿易の覇者オランダの世相を示しているものです。。
【名品37】「室内履き」サミュエル・ファン・ホーホストラーテン作2022.11.26 12:00【ルーヴル美術館の名品150選37】。意味深なタイトル「室内履き」。無造作に脱ぎ捨てられる。生活の乱れを暗示。何が起こっているか。火の消えたろうそく。開け放たれた扉。鍵。画中画。立てかけられたほうき。どう繋がるか。
【名品36】「ワインを飲む女性」ピーテル・デ・ホーホ2022.11.25 12:00【ルーヴル美術館の名品150選36】。フェルメールと相互に影響を与えたホーホの作品。娼婦の館での一場面か?既婚女性の不倫の場面か?恐らく後者。部屋の間取り、女性の服、画中画「キリストと姦淫の女」。犬。不在の夫の暗示も垣間見える。
【名品35】「病気の女性」ヘラルト・ドウ2022.11.14 12:00【ルーヴル美術館の名品150選35】。もっともらしく尿を調べる名士らしき人物。患者の女性は窓から差し込む光を仰ぐ。書見台の本は恐らく祈りの本。時計は限りある時間。女性は神との対話に入っています
【名品34】「歯を抜く人」ヘラルト・ドウ2022.11.13 12:00【ルーヴル美術館の名品150選34】。無名の人物の何気ない日常を描く「風俗画」。ここにも意味が。奥にこの世の快楽や栄達とその虚しさを表わす物:楽器・丸い器と棒・地球儀・頭蓋骨。病は生き方が神から離れているしるし。正しい生活を送っているか?
【名品33】「水の勝利またはネプチュヌスとアンフィトリテ」シャルル・ルブラン2022.11.12 12:00【ルーヴル美術館の名品150選33】。もと王宮のルーヴル宮で太陽王ルイ14世を讃える場所の装飾。芸術総監督ルブランが全体を構想。ルブラン自身が描いた場面。陸地と水を表わす部分の水。海の世界の王ネプチュヌスが体現します。魚を捕る銛の形の王笏。海の馬が乗り物を引いています。海の世界の...
【名品32】「夜またはディアナ」シャルル・ルブラン2022.11.11 12:00【ルーヴル美術館の名品150選32】。かつて王宮だったルーヴル宮で「太陽王」ルイ14世を讃える場所の装飾。太陽は1年・1日という時間を統べる。天井中央帯状部分に一日の五つの時間帯。こちらは「夜」。月の女神ディアナが空を渡る。道行きの終り。曙が背後に続きます。
【名品31】「聖家族(セビリアの聖母)」ムリリョ作2022.11.10 12:00【ルーヴル美術館の名品150選31】愛くるしいムリリョの表現。キリストの近しい人々を描く。親戚にあたる幼い洗礼者ヨハネが手にする紙には恐らく「この人は世の罪を購う神の小羊である」の言葉。十字の杖を渡し足元には小羊が。キリストの死の運命の暗示です。