連作「ウェヌスの物語」。愛と貞潔どちらも称える連作です。

連作「ウェヌスの物語」。ウェヌスとディアナの物語を語る4枚の連作です。。愛の女神ウェヌスが「愛」を体現し、処女神ディアナが「貞潔」を体現して、「愛」と「貞潔」どちらも称える連作です。3枚目の写真は部分ですが、4枚の場面には別の意味も込められます。4つの場面は順に、火・水・風・土の要素と結びつけられています。鍛治場の火・湖、風に膨らむ布、大地がそれを暗示します。火・土・風・水の四つのものは「四元素(しげんそ)」と言われるもので、この世界を構成する、四つの要素です。四元素の全てを表わして「世界の全て」ということを表わします。ここで語られるお話が、「世界の全てにおよぶ」という意味です。

(アルバーニ作「ウェヌスとウルカヌスの休息」、1621-1633年、パリ、ルーヴル美術館、INV10、2.03×2.52m)

(アルバーニ作「ウェヌスの化粧」、1621-1633年、パリ、ルーヴル美術館、INV9、2.02×2.52m)

(アルバーニ作「愛の神たちによってウェヌスのもとへ連れてこられるアドニス(部分)」、1621-1633年、パリ、ルーヴル美術館、IMV12、2.03×2.52m)

(アルバーニ作「武装解除される愛の神たち」、1621-1633年、パリ、ルーヴル美術館、INV11、2.02×2.50m)

名画を読み解く

美術作品の解説をしています。講義はNHK文化センター、栄・中日文化センター他でお聞きいただけます。

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