「ヴィーナス誕生」と「春」。

「ヴィーナス誕生」と「春」は対をなし、前者が「天上の愛」を後者が「地上の愛」を表わす。「天上の愛」を表わす前者では、地上に向かって風が吹き、「地上の愛を表わす」後者では、人物たちは天を見上げる神の方へ進んでいる。「天→地上」/「地上→天」の動きがある。二つの作品の間には循環構造が存在する。姿は違うがどちらも主役は愛の女神。愛が地上と天上を循環し、愛が天と地上を結びます。

(ボッティチェリ作「ヴィーナス誕生」、1485年頃、フィレンツェ、ウフィツィ美術館、1.75×2.85m)

(ボッティチェリ作「春」、1482年、フィレンツェ、ウフィツィ美術館、2.03×3.14m)

名画を読み解く

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