ドイツの殉教者のような大ヤコブ。2024.03.21 11:30デューラー作「ヘラー祭壇画」。巡礼地の聖大ヤコブの殉教を描く部分。キリストの弟子でエルサレムでユダヤ人の王に処刑されたと聖書に書かれます。ここでは、ドイツの殉教者がドイツで殺されるよう。帽子にホタテ貝。王は当時脅威であったオスマン帝国の王を思わせます。
左パネルに殉教場面。2024.03.19 15:04巡礼地の聖人大ヤコブを紹介中。斬首による殉教が描かれる作品。デューラー他。ドイツの作品。主場面は聖母戴冠。大ヤコブは左パネル。反対側には聖女カテリナの殉教場面。跪く男女が注文者で、ここでは、大ヤコブとカテリナは、夫妻の同名の守護聖人として描かれます。
麦角中毒を癒やす修道院。2024.02.03 12:15悪魔に襲われる聖アントニウスの表現は、ボスと同様こちらも有名。グリューネヴァルトの「イーゼンハイムの祭壇画」です。麦角中毒の患者を扱う修道院の祭壇画。治療と祈りで治す。悪魔が病気の苦しみと幻覚を暗示。壮絶なキリストの表現でも有名。講義で解説します。
この表情の意味は。2024.01.14 11:00こちらもレンブラントが描く高齢の人物。赤ん坊を抱く。抱えず腕にのせるのは敬意のしるし。救い主を見てようやくこの世を去ることができるのです。これはどういう表情か。安堵。感激。感謝。恍惚。神の声を聞く。最晩年の画家と重なる。レンブラントの感情表現は圧巻です。
聖書のおばあちゃん。2024.01.13 11:00レンブラントは心理描写が圧巻で聖書の物語がリアルな人間ドラマとして見る者の心を打つ。このおばあちゃんは預言者アンナ。若い時夫に先立たれ神殿で祈りの生活を送り84歳に至る。幼い救い主を目にし、救い主を待っていた人々に、幼子のことを話します。
羊飼いたちへのお告げ。2023.12.23 13:23まもなくクリスマス。夜通し羊の番をしていた羊飼いにお告げがある。聖書にこう書かれます。「今日ダビデの町(=ベツレヘム)であなたがたのために救い主がお生まれになった。この方こそメシアである。」天の大軍が歌う。「地には平和、御心に適う人にあれ。」さあ、救い主のもとへ。
デューラーの蛇はリアル。2023.12.01 11:00デューラーが描くアダムとイヴ。イヴの部分。前の二作品では、禁じられた果実を食べるよう唆した蛇は、悪魔を考えさせる異形の姿。上半身が女性で下半身が蛇、またはトカゲの体に女性の頭。デューラーの蛇はものすごくリアルです。
エステルの話。レンブラント。2023.11.25 11:00旧約聖書の女性。エステルの話はエステルが緊張し失神する場面を描くものが多い。レンブラントはこちら。エステルは王を腹黒大臣とともに宴に招き、ユダヤ民族を殲滅せんとする大臣の陰謀を告げる。大臣は蛇ににらまれた蛙のよう。死罪となります。王の圧がすごい。
レンブラントが描くスザンナ。2023.11.20 11:00旧約聖書の女性スザンナ。レンブラント。長老二人が美しい人妻スザンナに身を委ねろと迫る。スザンナはどうなったか。拒まれた長老たちは密通の現場を見たと偽の証言をし無実の罪で裁判にかけられる。ダニエルが証言の矛盾をつく。スザンナは救われ長老たちが死刑になります。
ポティファルの妻。続き。2023.11.02 11:00旧約聖書の有名な女性を描く連作を紹介中。2枚目がティントレット、1枚目がレンブラント。ポティファル(エジプト王の側近)の妻は家の奴隷になったヨセフ(イスラエルの民の男性)に再三大胆に迫るも拒まれる。ヨセフは衣を残し逃れる。妻は「ヨセフが私を犯そうとした」と訴えます。
天秤を持つ女性の違い。2023.10.04 10:54フェルメール。天秤を持つ女性。よく似た別の作品が少なからず意識されています。どちらも天秤を持つ。右は「金を量る女性」。右は強欲の暗示。身を乗り出す。フェルメールの女性は冷静。何ものらない天秤を手に思索に入りこむ。両者の違い、見えてきます。
天秤。正義の勝利。2023.09.27 10:30天秤座がらみ。正義を表す人物は天秤(善悪を量る)と剣(一刀両断にする)を持ち物とし、よく目隠した姿で描かれる。これは「惑わされない/公平性」を表す。「正義」が冠を授けられ讃えられる。断罪されるのは悪徳。虚栄(財宝・地球儀)・暴力(剣)・欺瞞(仮面)です。