国王アンリ4世はヘラクレスになぞらえられています。

ここではフランス国王アンリ4世(ブルボン王朝、在位:1589-1610年)は、ギリシア神話最大の英雄ヘラクレスになぞらえられています。棍棒、怪物レルヌのヒドラが、ここで英雄ヘラクレスを暗示するものです。連作「マリー・ド・メディシスの生涯」でも、国王アンリ4世と、英雄ヘラクレスの関連づけがありました。暗殺された王は昇天し、天上の世界で、偉大な英雄ヘラクレスと同様に、神々の列に加わるという表現です。

(トゥッサン・デュブルイユ周辺の画家「レルヌのヒドラを倒すヘラクレス姿のアンリ4世」、1600年頃、パリ、ルーヴル美術館、RF1997-13)

(ピーテル・パウル・ルーベンス作「王の昇天、王太后の摂政就任宣言(連作「マリー・ド・メディシスの生涯」)」、1622-1625年、パリ、ルーヴル美術館、INV1779、3.94×7.27m)

名画を読み解く

美術作品の解説をしています。講義はNHK文化センター、栄・中日文化センター他でお聞きいただけます。

0コメント

  • 1000 / 1000