【名品106】「ロランの聖母」ヤン・ファン・エイク

【ルーヴル美術館の名品150選106】。ルーヴル美術館の至宝。小さな大作。キリスト教美術の宝石。

聖母の頭上に冠。聖母を「天国の女王」として讃える。注文者の上には「人間の罪」を表わす旧約聖書の場面。背景の街は聖なるものと俗なるものの対比を表わす。

キリストの持ち物、同じ形の三つの開口部、壁で囲まれた庭、様々な花、鳥(孔雀・カササギ)、両岸の様相の違う二つの街、修道院、大聖堂、橋とそれを渡る人。船とそれに乗る人・・・いずれもが意味を持ち、全体として壮大な救いの物語を語ります。

キリスト教文化圏の人がどうものを考えたか。多くのことが凝縮された感動的な作品です。

(ヤン・ファン・エイク作「ロランの聖母」、1434-1435年頃、パリ、ルーヴル美術館、INV1271、66×62cm、北方絵画部門、リシュリュー翼)
(ヤン・ファン・エイク作「ロランの聖母(部分)」、1434-1435年頃、パリ、ルーヴル美術館、INV1271、66×62cm、北方絵画部門、リシュリュー翼)


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