メトロポリタンのクラナッハ「パリスの審判」⑥。2021.12.31 10:30騎士が旅の途中水辺で休息し夢を見る。「パリスの審判」の三人の女神がそれぞれ贈りものを提示し、愛か権力か名誉か、進むべき道を問う。これが恐らくこの作品。注文者は作中の騎士に自分を投影。ドイツの植物にドイツの景色。川辺の崖上に城が建つ。
メトロポリタンのクラナッハ「パリスの審判」⑤。2021.12.30 10:30男性はポヤンとして女神たちを見ていない。夢を見ていると思いませんか?神話では女神たちは贈りものを提示する。「美しい女性/愛」「王の地位/権力」「戦での勝利/名誉」。神話ではパリスは最初のものを選び戦を引き起こす。騎士たるもの何を選ぶか?という問いかけが感じられます。
メトロポリタンのクラナッハ「パリスの審判」④。2021.12.29 10:30今回の #MET 展で実物を見て確信したこと。この作品は「ドイツ風神話画」でなく「寓意画」であること。クラナッハの多くの作品は世俗の上流階級のために描かれる。男性は注文者が自分を投影したであろう騎士の姿。水辺で休息。表情に注目。男性は恐らく夢を見ています。続く。
メトロポリタンのクラナッハ「パリスの審判」③。2021.12.28 10:30今回の メトロポリタン美術館展で個人的に最も感激したのがこの作品。女神の美の審判。実物を見て確信。ここではお決まりの持ち物がない女神達は、左が選ばれる愛と美の女神、中央堂々としているのが最高神の妻、右の後ろ姿でやや恥じらう様子が本来裸体を見せない智恵の女神ミネルヴァと思われます
メトロポリタンのフラ・アンジェリコ「磔刑」⑤。2021.12.27 10:30写真で作品を見た時、両側の天使は何を持つ?と疑問。展覧会で実物を見て理解。天使たちは両手に器を持ち、キリストの手と脇腹からしたたり吹き出す血を受け取っている。キリストの血が人類を救います。
メトロポリタン。「エジプト逃避」とは。2021.12.26 10:30この場面は「エジプト逃避途上の休息」。森の中にロバに乗る聖母子と近くを歩く養父ヨセフがいる。何故エジプトに逃げたのか?救い主に王位を奪われることを恐れたユダヤ人の王が、赤ん坊の虐殺を命じたからです。
メトロポリタンのルーベンス「聖家族」①。2021.12.25 10:30「聖家族」というのはキリストと母マリアとマリアの夫で二人の保護者となったヨセフのこと。高齢の女性はマリアの母アンナ。娘と孫にやさしく寄り添う。キリストの母方の系譜の愛情溢れる表現。もう一人の子供洗礼者ヨハネは親戚です。
メトロポリタンのグレコ。「羊飼いたちの礼拝」。2021.12.24 08:00夜通し羊の番をしていた羊飼いたちに「救い主が生まれた」とお告げがある。羊飼いたちは、飼い葉桶に寝かされた救い主を見つける。夜の場面。思索をかきたてながら歓喜に満ちる。幼子が闇を照らす。偉大なる精神性。
メトロポリタンのバウツ。「聖母子」。2021.12.23 10:30母と子のふれあいを描きながらどこか悲しげ。これも聖母子。聖母が赤と青の衣装でない時もある。暗い色の衣装は「悲しみ」を暗示。キリストの死の運命を暗示します。小型。教会用でなく個人の瞑想のための作品です。
メトロポリタンのムリリョ。「聖母子」。2021.12.22 10:30愛くるしいムリリョ。どうしてこれが「聖母子」であるとわかるのか。聖母は赤と青の衣装で描かれるのがお決まり。キリスト教美術を注意して見てくださいね。キリストの体を包む白い布は「死」の運命の暗示。亡骸を包む布を思い出させませんか?
メトロポリタンのフィリッポ・リッピ。2021.12.21 10:30「キリスト教美術の赤と青の衣装の女性は聖母マリア」というのは覚えておくと良い。赤は「神への愛」、青は「聖母の清らかさ」を表わす。巻物・本には恐らく聖母の奇跡の懐胎についての預言が書かれていると思われます。
メトロポリタンの「エジプト逃避途上の休息」。2021.12.20 10:30「授乳の聖母」と言われるタイプ。教会の祭壇画でなく個人の礼拝のための作品。1500年前後のフランドル絵画によく見られる。玉座に座る荘厳な聖母との対比で聖母の慎ましやかさを強調します。