三つが横に並ぶ・縦に並ぶ。2022.09.30 11:30続き。「父なる神/子なるキリスト/聖霊」が、1枚目は横に並び、2枚目は縦に並ぶ。2枚目は「父→子→聖霊」と力が流れ出す印象を与える。あえて横並びに描くのは、「3つの間に序列はない」ということを強調しています。面白い。カルトンの作品を11/13解説します。
天秤。死者の魂を運ぶ神ヘルメス。2022.09.30 10:30天秤座がらみで天秤の話。古代ギリシアの陶器。正義の女神以外に天秤と結び付けられた神がいます。天秤が同じく「死者の裁き」と結び付けられた例。「神々の使者」ヘルメス/メルクリウスは旅人の姿で描かれる。死者の魂を冥界へ導くとも考えられ、その手に天秤が握られます。
目に見えぬ父。見える子。2022.09.29 11:30前の作品は「父なる神/子なるキリスト/聖霊」を全て同じキリストの姿で描いて「本質が同じ」ということを表現。ここでは聖霊だけ鳩の姿。キリストは地上にいたので人間として表現可能。父と子は本質が同じなので、目に見えない父を子の姿で表す、という考え方です。1
全部キリストの姿。2022.09.28 11:30聖母戴冠。三人のキリスト?「父なる神/子なるキリスト/聖霊」を表しています。「この三つは異なるものでなく唯一の神の三つの姿」「三つは全て神」というのが「三位一体(さんみいったい)」という考え方。これを絵画に表現するのが難しい。本質が同じということで全てをキリストの姿で表現していま...
父なる神をどう表すか。2022.09.27 11:30父なる神/子なるキリスト/聖霊は「唯一の神の三つの姿」。それぞれ神で全体が神。聖霊は鳩の姿でよく表される。「鳩のように」と聖書が語る。問題は「父なる神」。目に見えない存在だから。父として高齢の男性姿で表されることが多い。2枚目は手で神を暗示しています。
聖母の冠。冠を授ける三位一体。2022.09.26 11:30聖母が冠をかぶるのは天国で天の女王として冠を授けられたと考えられるため。「聖母戴冠」を描く非常に面白い作品が2枚目。冠に触れているのは「三位一体」つまり神の三つの姿。神をどう表すかは興味深い問題。
聖母の冠にバラとユリ。2022.09.25 11:301枚目「神秘の小羊の祭壇画」の聖母。2枚目ラファエロ。聖母は天国で「天の女王」として冠を授けられたと考えられた。その冠にバラとユリ。聖母の墓にも同じ花。ユリは純潔の象徴。バラは花の女王と考えられ聖母は「トゲのないバラ」と言われました。
アダムとイヴと聖母とバラ。2022.09.24 11:30聖母とバラの話。フラ・アンジェリコ。受胎告知の外にアダムとイヴ。二人に遡る罪に、いよいよ救いがもたらされる。左の二人の足もとにバラ。トゲ(=罪)がある。「トゲのないバラ」と言われる聖母は、左の二人が犯した罪の影響を免れている、ということを暗示します。
聖母の墓の中に花。2022.09.23 09:17ラファエロ。聖母戴冠を見上げる使徒たちの部分。トマスの手に聖母が落とした帯。聖母がいた墓に花が咲き出す。白いユリは聖母の純潔の象徴。そして赤と白のバラ。「トゲ(=罪)のないバラ」は、聖母を讃える表現です。
救いの物語の中の受胎告知。2022.09.22 08:46「受胎告知」は、聖書の物語のクライマックスの一つ。待ち望まれた救い主がいよいよ生まれることが告げられる。無数の作品が作られる。たくさんの場面からなる作品は救いのストーリーとともにこの話を語る。フラ・アンジェリコ。「プラド美術館の名品群」第5回で紹介します。
箱の中に生きた人間?!2022.09.20 11:30プラド美術館の目玉作品の一つ。ロヒール・ファン・デル・ウェイデン作「キリストの十字架降架」。人物はほぼ等身大。箱の中に彫刻で人物を表す祭壇装飾を絵画で表現。生きた人物が箱の中にいるよう。驚くべきディテールの表現です。
鏡の面白さ。2022.09.18 11:30鏡の面白さ。続き。どの作品にも正面に鏡。中に人物。画面の外にいる人物が画面の中に取り込まれる。時代順で一番先なのが「アルノルフィニ夫妻」。他の二つは恐らく影響を受けています。2・3枚目はプラド。関西で秋からプラド美術館の解説です。